猫に夢研究所

自分の備忘録を公開している感じです。国立大学法人で大学図書館職員(図書系職員)として働いています。みなし公務員です。

2023年度大学図書館職員短期研修の参加メモ : 1日目(10月17日(火))

目次


参加メモの前提

全体のバランスや文脈は考慮せず、自分が興味・関心を持ったところを中心にまとめています。

敬称略。


はじめに

座席は、4、5人のグループごとの島が指定してあり、そのなかで自由席になっていました。

講義資料は、PDFとして事前に送付されるので、それを各自でプリントアウトし持参するか又は各自のパソコンやタブレットで表示する形式です。会場では配布していません。当日、プロジェクターでスクリーンに投影されます。


開講式 | 9:30-9:45 | 15分

あいさつ / 久保田 壮活(東京大学附属図書館総務課長)

  • 講師の本当に伝えたいことは、講義資料の外にあるかもしれない。積極的に質問してほしい
  • 集合形式のメリットであるコミュニケーションをとってほしい
  • 4日間楽しんでほしい


大勢の方と名刺交換させていただきました。

4日間楽しかったです。


事務連絡

  • 時間厳守で進めていく
  • インターネットは、eduroamまたは自分のWi-Fiルーターを使用する
  • 東京大学では、マスクの着用は、個人の主体的な選択を尊重する
  • 懇親会は開催しない。各自で名刺交換などをする


自分はChromebookでしたが、eduroamは快適でした。

大勢の方と名刺交換させていただきました。


大学図書館の現状と課題 / 大山 努(東京大学附属図書館事務部長) | 9:45-11:00 | 75分(うち質疑15分)

まずは総論です。

  • 大学図書館の現状 : 学術情報基盤実態調査から見えてくる課題
    • 電子ジャーナル問題<蔵書>
    • 学生の自学自習のための支援<場>
    • 人材の確保と育成<人材>
    • オープンサイエンスへの対応<新>


以前は、オープンサイエンスという項目がありませんでした。


  • 大学図書館の目指すもの : 国立大学図書館協会を例にして
    • 国立大学図書館機能のの強化と革新に向けて : 国立大学図書館協会ビジョン2025
      • 国立大学図書館の基本理念
        • 国立大学図書館は、社会における知識基盤として、デジタル・非デジタルを問わず、知識、情報、データへの障壁なきアクセスを可能にし、それらを利活用するための環境を利用者に提供することで、教育の質保証、研究力やイノベーション力の強化を推進する国立大学の教育研究活動を支え、社会における新しい知の共有や創出の実現に貢献する
      • 重点領域1. 知の共有 : 蔵書を超えた<知識や情報>の共有
        • 電子ジャーナル問題<蔵書>
        • オープンサイエンスへの対応<新>
      • 重点領域2. 知の創出 : 新たな知を紡ぐ<場>の提供
        • 学生の自学自習のための支援<場>
      • 重点領域3. 知の媒介 : 知の交流を促す<人材>の構築
        • 人材の確保と育成<人材>


電子ジャーナル問題はやっぱり頭が痛いと、グラフを見て改めて思いました。


  • 大学図書館の役割 : 大学・国の方針との関係を中心に
    • 大学の機能 : 「教育」「研究」「社会貢献」
      • →大学によって【重点】の置き方が異なる
    • 大学図書館は大学のために何ができるか?
      • 教育支援
      • 研究支援
        • 電子ジャーナル、データベースの整備
        • 機関リポジトリによる研究成果の発信
        • 研究データ管理・公開への寄与
      • 社会貢献
        • 機関リポジトリによる発信
        • 所蔵資料展示
        • 市民への公開、地域連携


「教育」「研究」「社会貢献」については、「大学によって【重点】の置き方が異なる」ので、自分の大学全体や執行部の方針や動きをよく確認したいと思います。



  • 国の政策動向1 : 情報委員会
    • 文部科学省 科学技術・学術審議会学術分科会 学術情報委員会(廃止)
    • 情報委員会(2019年度~)発足
    • ジャーナル問題検討部会(2020~2021年)
    • オープンサイエンス時代における大学図書館の在り方検討部会(2022~2023年)



ここからは各論です。

  • 電子ジャーナルをめぐる問題 : <蔵書>の課題
    • プレスリリース「大学における学術雑誌購読の危機的状況が深刻化」国立大学図書館協会(2018年1月)
      • 背景
        • 価格上昇、円安、海外電子コンテンツへの課税
      • 今後の対応
        • 短期的 : 価格抑制の努力、各大学での購読の見直し
        • 中長期的 : 学術情報流通構造の改革、オープンアクセスへの転換


図書購入冊数の推移(1大学あたり)を示してるグラフが示されていました。電子ジャーナル経費確保のため、図書購入費が抑制された結果ですが、右肩下がり(購入冊数の減少)の具合が想像以上でした。


  • 「我が国の学術情報流通における課題への対応について(審議まとめ)」(ジャーナル問題検討部会 2021年2月)
    • 問題意識 : 学術情報流通をめぐる状況
      • ジャーナルを取り巻く問題は、従来の購読価格上昇の常態化に加え、オープンアクセスの急速な普及に伴い、APC負担増などより拡大・複雑化
    • 議論の方向性と個別の課題
      • 早急に取り組むべき課題
        • ジャーナル購読価格上昇の常態化及びAPC負担増への対応
      • 着手すべき課題
        • オープンアクセス化への動きへの対応
        • 研究成果の発表・公開の在り方
      • 検討を開始すべき課題
        • 研究成果の発信力強化の在り方
        • 論文数や引用数のみに依存しない研究者評価の在り方


「研究成果の発表・公開の在り方」を今後どのように変えていけばいいのか、興味があります。


  • G7 科学技術大臣会合 共同声明(2023年5月、仙台)
    • 新たな知の創造に貢献できるよう、研究データや論文を含む科学的知識を公平に広めながら、オープン・サイエンスの拡大で協力
      • →CSTI、RU11でオープンアクセス推進の動き
      • 今までとは異なる切り口から、ジャーナル問題の進展が期待できるかも


「今までとは異なる切り口から、ジャーナル問題の進展が期待できるかも」とありますが、今の自分ではイメージがわきません。


  • 学生のための自学自習のための支援 : <場>の課題
    • 「場」としての大学図書館の再構築
      • 光熱費高騰、予算の逼迫
        • 環境、時間の合理化・縮小を検討せざるを得ない状況
        • 大学の経営方針や図書館運営の観点から、限りあるリソースの振り分けを考える
      • 「オープンサイエンス時代における大学図書館の在り方について(審議のまとめ)」
        • デジタル・ライブラリー」の実現には、大学図書館機能を物理的な「場」に制約されない形で再定義することが求められる。
          • 仮想的な空間も含めた大学図書館機能はどうなるのか。物理的な「場」でしかできないことは何か


光熱費高騰、地味につらいですよね。

デジタル・ライブラリーとはなんぞや?


  • オープンサイエンス : 新たな課題
    • 報告書「我が国におけるオープンサイエンス推進のあり方について」(2015年3月 内閣府国際的動向を踏まえたオープンサイエンスに関する検討会)
      • オープンサイエンスとは、公的研究資金を用いた研究成果(論文、生成された研究データ等)について、科学界はもとより産業界及び社会一般から広く容易なアクセス・利用を可能にし、知の創出に新たな道を開くとともに、効果的に科学技術研究を推進することでイノベーションの創出につなげることを目指した新たなサイエンスの進め方を意味する
    • 「学術情報のオープン化の推進について(審議まとめ)」(2016年2月 学術情報委員会)
      • 大学等においては、技術職員や大学図書館職員等が、データキュレーターとしての一定の機能を担っていくことも期待されている。しかしながら、既存の業務も担当しつつ新たな取組とするには限界があるため、職員の能力開発と併せて、専門人材の新たな確保についても考慮することが望まれる


データキュレーターの仕事ってこんな感じだろうか? とすぐにイメージできませんでした。


  • 人材の育成・確保 : <人材>の課題
    • 採用とキャリアパスの課題
      • 採用
        • 現在の図書系専門試験による採用方式の継続?
        • 中途採用、任期付き採用?
        • 一芸(スペシャリスト)採用?
      • 配属、異動、昇任
        • 図書系以外の部署への異動?
        • 他機関への異動は必須?
        • 新しい人材を育成するための研修
        • 専門職としてのキャリアパス
      • 管理職(部課長)登用
        • 新たな登用方法の必要性
        • 希望者が少ない理由 広域異動が困難?
      • 定年(60歳から65歳へ)、再雇用の増加?
    • 国大図協ビジョン2025 重点領域3. 知の媒介 : 知の交流を促す<人材>の構築


図書系以外の部署への異動は、経験したことがないですが、興味はあります。


最後にまとめ。

  • まとめ
    • 3つの課題
      • <蔵書>コンテンツ
      • <場>スペース
      • <人材>スタッフ
    • 課題の意義
      • 現状
        • 学術情報基盤実態調査 <問題点>
        • 国立大学図書館協会ビジョン <あるべき姿>
        • 大学と国の方針 <使命>
      • 課題
        • 電子ジャーナル <蔵書>
        • ラーニング・コモンズ <場>
        • オープンサイエンス <新たな課題>
        • 図書館職員の在り方 <人材>
        • →解決のためには何が必要か


うーん、何が必要なんだろうか……。たとえ答えのない問い・正解が1つではない問いだとしても、考え続けていきたいですね。


大学図書館職員のスキルアップ法 / 中村 健(大阪公立大学学術情報課図書情報担当係長) | 11:15-12:30 | 75分(うち質疑15分)

最初に結論から。口頭でのみ。

  • スキルアップの結論
    • 体力が1番!
    • 体力とは、気力も含めた体力のこと


とても実感しています。体力と気力、大事! 今の自分に刺さりまくる!


参考資料1に基づき、情報源の説明です。


自分は、こういう情報源をまとめたリストを見るのが好きです。

読んだことがない論文があったので、あとで読もうと思います。

図書については、『図書館に訊け! (ちくま新書)』『いま求められる図書館員―京都大学教育学部図書室の35年 (岩田書院ブックレット 17)』『学術出版の来た道 (岩波科学ライブラリー 307)』は購入し、読了済みでした。『学術コミュニケーション入門: 知っているようで知らない128の疑問』は買ってはいるものの、まだ読了していません。『図書館を変える! ウェブスケールディスカバリー入門 (ジャパンナレッジライブラリアンシリーズ)』は、まだ買っていないので、まずは早めに買いたいです。


続いて、スライドに戻ります。

  • スキルアップ法 : 短期研修振り返り
    • 井上昌彦氏(2014~2017)・森いづみ氏(2018~2021)がともにあげていたこと
      • 職場での研修(OJT
      • 自学自習 : 文献、WEB
      • 研修・イベントへの参加→学外の研修
      • 委員会やタスクフォースへの参加
      • 学外活動:執筆・講演
    • 学外活動のスキルアップポイント
      • 通常の業務では得られない情報/スキル/人脈を得られる=「今」より「明日」に役立つスキル
      • 通常業務に支障をきたさない=所属の「理解/応援」
      • 自らの活動を「可視化」=所属への還元
      • スキルアップ : プレゼン力、企画立案力、調整力、人脈、情報、広報
    • まずは…
      • 自分の担当業務をがんばろう
      • その業務が関わる事例を多く知ろう
      • 多種多様な仕事に取り組もう(学内 / 学外)
      • 多くの人を知ろう(学内 / 学外)
      • コラボ、他流試合をしよう(学内/学外)
      • →習って覚えて真似して捨てる(真藤 恒)
        • →無意識レベルでできるように?


担当業務をがんばったり、得意分野を作って、相談されたり、頼りにされるようになりたいです。


  • 図書館員のスキルとは
    • スキルアップ法:既存業務の再構築とパートナーとしての能動的な存在感
    • 2010年と2020年と2023年を比較する
      • 2010年
        • 学術情報流通の仕組みに詳しく、学術情報基盤の構築ができる
        • 情報リテラシー教育に直接関わることは新しい方向性
        • 教員や学生とコミュニケーションを図りながら、教育課程の企画・実施に関わる
      • 2020年
        • メディア/コンテンツを中心とした基盤整備ではない
        • 彼らを支援するというというよりもパートナーとして何ができるか
        • 学習支援や教育活動に直接的に関与する活動、学術コミュニケーションの円環の中での学術情報の生産、普及、利用を促進する活動を展開する
      • 2023年
        • デジタル・ライブラリーを実現する
        • 実現に向けて定義の再構築
        • 学修環境整備業務については再構築
        • これまでの業務+研究データの管理 →研究活動を知る →支援活動をデザイン
      • 変化
        • より能動的に、学術情報の生産、普及、利用を促進する活動を展開する。支援組織からパートナーへ


「支援組織からパートナーへ」という一歩先に踏み出した視点を持つことができました。


  • スキルアップ法 : 温故知新
    • 現在は、各サービスの転換点にあたるのではないだろうか?
    • 歴史は繰り返すが、同じ形・現象にはならない
      • 例 : 目録 : 図書館は分散(各館対応)から集約(NII)また分散(コミュニティ)へ
    • 「専門性」の変化
      • 図書館職員を極める(深く) →あまたあるサービスの中から最適な組み合わせを選択する(広く浅く)
    • 対応する力への変化
      • 図書館と出版社の関係 →大学として総合的な対応へ(学外(出版社)との交渉力に加え各部署との調整能力が必要なスキルに)
    • キャッチアップ型のサービス(海外の先進事例を導入するという意味)
      • 電子リソース、研究支援、アクティブラーニング
      • →海外の動向を意識したサービス展開が必要
    • 再定義された新たなサービス
      • 機関リポジトリと寄贈交換
      • ラーニングコモンズと施設整備
      • →理念と時代のニーズのすりあわせ


「大学として総合的な対応へ(学外(出版社)との交渉力に加え各部署との調整能力が必要なスキルに)」について、転換契約においてはとくに研究支援部門と連携が必須になると感じています。


  • スキルアップ法 : 他業界との比較
    • 図書館は日本の電子雑誌・書籍のビジネスモデルやツール(AI、SNS)とどのような関係を結べるのかを模索する段階にきている


  • まとめ
    • スキルアップの奥義は人によって違うのであえて「白紙」にしました
      • とにかく目の前のお仕事をがんばろう
      • 視野と人の縁を広げていこう


「とにかく目の前のお仕事をがんばろう」は、わかりやすくシンプルでいいですね。

「視野と人の縁を広げていこう」は、この大学図書館職員短期研修で早速実践できそうです。

そのほか、「スキルアップ法 : 業務のポイント」において、「事例研究 : ある管理・システム系職員のあゆみ」として、業務経験から得られた具体的な業務ポイントについて詳しく説明がありました。


効果的なグループワークのデザインとファシリテーション / 栗田 佳代子(東京大学大学総合教育研究センター副センター長・教授) | 13:30-16:20 | 170分

  • Slidoの利用
    • リアルタイムに学生が質問できるWebサービス
    • 教員から学生に質問することも可能
    • 学期期間中など長期間でも、質問を受け付けることができる
    • 無料アカウントでも使える機能が多い
  • SlidoについてのTips
    • [Share]ボタンからのQRコードダウンロード
    • [Present]ボタンからQRコード表示
    • 設定画面の[Features]での、受講者の応答許可設定
    • 講師自身がツールに習熟している必要がある。


Slido、おもしろい。


  • 本日の目標
    • 対面・オンライン研修において用いられるツール、グループワークの方法を体験する
    • (オンライン研修に限らず)効果的にグループ討議を行うための場の条件をいくつか挙げることができる
    • 自分が将来グループ討議を企画する際に、効果的なグループ討議のデザインできる
  • 対面との比較
    • 対面とオンラインでも同じところ
      • 指示は明確にする。
        • 例えば、締切を決めたら、グループワークの時間のカウントダウンタイマーなどで表示する
      • その場の目標を共有すること
      • 目標に応じた内容およびワークとなっていること
      • 手段が目的化しないようにすること
      • 研修について「デザイン通り」が絶対ではなく、臨機応変に対応されていること
      • 参加者にとってもっとも学べる場が提供できていること
    • ハイブリッドにおける留意点
      • 基本的に(一人では)難しい


対面とオンラインともに、「参加者にとってもっとも学べる場が提供できていること」が重要。

ハイブリッドは、「基本的に(一人では)難しい」。実施したことはないですが、ツールやデバイスの設定・利用が想像しただけでも難しそうです。


  • グループ討議の実施にあたって
    • グループ討議の基礎
      • これを行う目的は何か? を共有する
        • 何のためにこのグループ討議を行うのか? 行く先を共有する
      • オンラインによるグループ討議(ハイブリッド含む)は、実施に関する知識・技術が必須
        • 道具を知ることがクリティカル
        • 正しく長所・短所を把握する
    • 目標とは
      • 目的の具体化
        • 学生にできるようになってほしい事柄
        • そのまま評価項目になりうる
        • ジャンプすれば届く距離
          • 現実的かつ、チャレンジングなレベル設定
      • 書き方
        • 学生を主語にする
        • 一つの文章に一つの目標とする
        • 観察可能な行動で記述=成績評価項目になる


自分たちもグループ討議があるので、目的・目標を意識したいと思います。

目標の「現実的かつ、チャレンジングなレベル設定」が難しいと感じています。


  • モチベーション
    • 大前提
      • 学生が主体的に学んでいくためにモチベーションの喚起と維持は重要かつ必須
    • モチベーションとは
      • Student’s motivation generates, directs, and sustains what they do to learn. (Ambrose et al. 2010)
    • 期待(予期)と価値
      • 期待: 目標達成への主観的確率 → 結果予期と効力予期
        • 授業を通して目標達成(が期待)できそうか?
          • 授業内容が難しすぎるとモチベーション低下
            • 期待が低すぎる
          • 授業内容が簡単すぎるモチベーション低下
            • 期待が高すぎる
      • 期待を高める方法
        • 目標、授業内容、評価を調和させる
        • 授業内容の適切なレベルを見きわめる
          • 「ジャンプすれば届く」難易度に設定
        • 的確なフィードバックを与える
        • 効果的な学習方法を説明する
    • 授業にどれだけの価値を見いだせるか?
    • 達成価値
      • 目標やタスクの習得と達成から満足感が得られるかどうか
      • 例 : 量的データの分析ができてレポートが書けた!
    • 内発的価値
      • タスクを行うことそのものから満足感が得られるかどうか
      • 例 : プログラミング自体が楽しい!
    • 道具的価値
      • 他の重要な目標を達成する上で,その内容が役に立つかどうか
      • 例 : 大学院での研究に応用できる!
    • 価値を高める方法
      • 授業内容を学生の関心と結びつける
      • 将来における授業内容の重要性を示す
      • 何に価値をおいているか示し、それを評価する
      • 授業内容に対する情熱や意欲を示す
    • 環境との関係性
      • 協力的環境であると感じられると、価値・期待との相互作用によってモチベーションが強化される
      • 協力的な環境を作る方法
        • シラバスと初日の授業で雰囲気を確立する
        • 雰囲気に関してフィードバックを受ける
    • 教授者にできること
      • 学生にとって高い価値を考える
      • 学生の期待を高める工夫をする
      • 協力的な環境をつくりだす
      • +参考 : ARCSモデル
    • ARCSモデル
      • Attention : 注意
        • 知覚的喚起
          • 好奇心を持ち、驚嘆させるような刺激
        • 探究心の喚起 *思考を促すなど探究心の喚起
        • 変化性
          • 情報の提示方法の変化
      • Relevance : 関連性
        • 目的指向性
          • 学生に関係ある授業目的・目標の設定
        • 動機との一致
          • 学生のニーズに合致
        • 親しみやすさ
          • 授業内容を学生の体験・知識と紐付け
      • Confidence : 自信
        • 学習要求
          • 到達目標およびその評価基準の提示
        • 成功の機会
          • 成功体験の機会提供
        • コントロールの個人化
          • 成功要因を自分に帰属させるようにすること
      • Satisfaction : 満足
        • 内的強化
          • 学ぶこと自体を楽しむようにサポート
        • 外的報酬
          • 学習に対して何かしらの報酬
        • 公平さ
          • 全員平等に公平に扱うこと


頭では理解しても、いざ実践するのはなかなか難しいことが多いと感じました。

それでもARCSモデルのように、学習をモデル化すると、考えやすいですね。


  • オンライン研修の実際
    • 参加者に寄り添う研修
      • クローズドクエスチョン
      • オープンクエスチョン
      • グループワーク(自己紹介を含めた短時間、簡単)
      • グループワーク(長時間、複雑)


上から順に行ったほうが、効果的とのことです。直感的にも、そうですね。


  • グループワーク(ブレイクアウトセッション)
    • グループワークの意義。
      • 変化性を持たせられる(モチベーションを高められる)
        • 一方向だとあきる
      • 理解を深める
        • 議論・共有することで理解が深まる
      • 場へのエンゲージメントを高める
        • 参加者相互のつながりを深める
        • メンタル的にも重要
    • グラウンドルール
      • 学びひらかれた場を一緒につくるために
        • 「安心して転べる」「何からでも学べる」場です
        • 傾聴の態度で
        • 3K : 敬意を持って、忌憚なく、建設的に
    • グループワークの注意点
      • グループワークの目的を明らかにしておくこと
      • 指示を明確にすること
        • やるべきこと(What)、その順序(How)、時間(How long)、ゴール(Why : 何のためにグループワークを行うのか)
      • 心理的安全性の確保(初対面の場合にはグループワーク前に、全体でアイスブレイク、あるいは自己紹介から)
        • いきなりグループワークに放り込まれて作業開始は難しい
      • もたつかないようにリンクなどは予め準備しておくこと


グラウンドルールをしっかり示すのが大事だと思いました。

「いきなりグループワークに放り込まれて作業開始は難しい」、うん、これはつらそうです。



海外研修経験から見えた大学図書館 / 冨田 千夏(琉球大学附属図書館情報サービス課保存公開係長) | 16:30-17:15 | 45分(うち質疑10分)


博士号、すごい!


  • 海外派遣事業とは?
    • 国立大学図書館協会では、図書館における海外の先進的な事例を調査・研究し、わが国の学術環境の中でどのように展開していくかを検討すること、また、国際連携という観点から、図書館活動に関連する国際会議へ参加し、日本の状況等について発表することを目的に海外派遣事業を実施しています
    • →海外の事例の調査・研究
    • →日本の状況を海外に発信



反射的に、お金と人材(と技術)かな? と考えてしまいました。


  • 担当者の悩み事
    • デジタルアーカイブは「維持」が大変
    • 経費捻出の難しさ:お金がないと始まらない
    • システムの有効性をどう可視化するか?
      • →PV数だけでは“使われている”とは言えない
      • →利活用の実績が目に見える形にするには!?
    • ※所属館での悩み → 他機関も同じかも?


「所属館での悩み → 他機関も同じかも?」、この視点は忘れがち。担当者レベルの悩みも、同様のことが多い気がします。


  • なぜ海外(台湾)に?
    • デジタルアーカイブなら欧米でもいいけれど・・
    • 台湾
      • →長年活用されているデータベースが多い
      • →データを「活用」した成果公開にも積極的
    • 英語以外の言語による人文系研究における利用実績や評価をどのように集約しているかを知りたい
      • →欧米より東アジアの事情が知りたい。


  • 海外派遣事業 応募~派遣まで
    • 最後のチャンス(年齢制限)だった
    • コロナ禍のため、渡航計画書を再々提出


コロナ禍でとても大変そうでした。


  • 研修の概要
    • 令和4年11月19日-11月20日 : 学会参加
    • 第18回中琉歴史関係国際学術会議(オンライン)
    • 令和5年2月13日~2月17日 : 現地調査
      1. 国立台湾大学 : 図書館、数位人文研究中心
      2. 中央研究院 : 台湾史研究所文書館、数位文化中心
      3. 他 : 故宮博物院・台湾博物館・国家図書館


  • 研修で得たこと
    • 「古文書を楽しむ」視点(研究だけじゃない)
      • →今までにない新しいことができるかも
    • 公開→利用者が「加工して分析する」時代へ
      • →新しい研究が生まれるかも
    • 悩んでいる部分は日本と共通
      • →しかし、できる工夫はやっている
    • ※今までにない利用の在り方は不安?
      • →大半の利用者は良心的


  • 研修後:まずはできることから
    • 引用情報収集の方法の検討
    • 「データを研究に活用する」方法の模索
      • すでにあるテキストデータの活用は?
    • SNSを通じたプロモート:YouTube、X(Twitter
    • 教員との連携:市民講座、大学教育への活用



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