本で紹介されているものを中心に、図書館情報学分野の国内雑誌をまとめてみました。
どの雑誌がどの本で紹介されているかを表形式でまとめたり、オープンアクセスのものにリンク貼ったり……と思いましたが、とりあえずそのままの情報のみです。また、新たにほかの本でも国内雑誌が紹介されているのを見つけたら、適宜追加しようと思っています。
そういうわけで、今後も情報を更新していくことを前提にしています。しかし、その際には、この記事の内容はいじらずにそのまま固定しておき、別記事として新たに情報を更新したものを公開しようと思います。
目次
- 上田修一, 倉田敬子編著『図書館情報学』で紹介されている雑誌
- 三田図書館・情報学会編『図書館・情報学研究入門』で紹介されている雑誌
- 今まど子編著『図書館学基礎資料』(第12版)で紹介されている雑誌
- 山﨑久道編『情報サービス論』(現代図書館情報学シリーズ, 5)で紹介されている雑誌
- おまけ
上田修一, 倉田敬子編著『図書館情報学』で紹介されている雑誌
「1章 図書館情報学とは」の「1.5 図書館情報学の研究」の「(3)日本における研究と学術雑誌」(p.48-49)において、研究動向を示すなかで、下記のように紹介されています。
日本の図書館情報学の学術雑誌2誌,Library and Information Science(三田図書館・情報学会,1968- 一部をWebで無料公開)と『日本図書館情報学会誌』(日本図書館情報学会,1954-)の1970年から2009年の間の掲載論文のうち投稿論文826件を調査対象とした調査では以下のような研究状況が明らかにされている。日本の図書館情報学論文では,この40年間に,①大学院生を含め大学に所属する著者数が増加している,②情報学は一時多かったが,次第に減少傾向にあり,図書館学が再び中心となっている,③実証的方法を採用する論文が増加している,などの傾向があった。しかし,主題について大きな変化はなかった。全体の論文数は,1990年代から2000年代後半にかけて低下したが,2000年代後半には増加傾向にある。前者の原因は,両誌の厳格な査読制の採用にあり,後者の原因は,大学院生の増加や研究助成制度の充実にあると考えられる
日本では,図書館情報学分野の雑誌として,査読制をとる論文誌である『日本図書館情報学会誌』,Library and Information Science,学会誌には『図書館界』(日本図書館研究会,1947-)がある。 特定のトピックについての論考を集めた『情報の科学と技術』(情報科学技術協会,1958-),『現代の図書館』(日本図書館協会,1963-),動向紹介を中心とする『カレントアウェアネス』(国立国会図書館,1979-,ウェブで無料公開),『情報管理』(科学技術振興機構,1966-,ウェブで無料公開)がある
図書館別では、公立図書館の話題を中心とする『図書館雑誌』(日本図書館協会,1907-)の他,『大学図書館研究』(「大学図書館研究」編集委員会,1972-),『学校図書館』(全国学校図書館協議会,1950-),『専門図書館』(専門図書館協議会,1952-),『医学図書館』(日本医学図書館協議会,1954-),『薬学図書館』(日本薬学図書館協議会,1956-)といった図書館の種類別の雑誌がある
これらの雑誌の掲載記事は,国立国会図書館の『雑誌記事索引』や国立情報学研究所のCiNii Articlesによって探索できる。 また,1989年から2007年までの記事は,日本図書館情報学会の『BIBLIS for Web(図書館情報学文献目録データベース)』で検索可能である。 印刷版として『図書館情報学研究文献要覧』があり,1970年から2006年までが4分冊で刊行されている
『BIBLIS for Web』ってどんなんやろと思って検索して、http://www.jslis.jp/biblis/に行ってみたけど、「Click here.」をクリックしたら「Not Found」……。
三田図書館・情報学会編『図書館・情報学研究入門』で紹介されている雑誌
「図書館・情報学への招待」の「11 図書館・情報学関連文献・機関」の「(5)学術雑誌」(p.212)において、これから研究する上での情報源として、下記のように紹介されています。
研究をする上で学術雑誌は不可欠である。図書館・情報学には,研究論文を掲載する学術雑誌と,紹介記事を掲載する雑誌が混在しているので,注意が必要である。紹介記事も研究をする上でとても役に立つし重要であるが,それを研究論文と混同してはならない。特に,自分が研究論文を書く際に,紹介記事のスタイルを手本にしてはいけない。また,紹介記事の文章を参考にする際も,できるだけ研究論文の原典にあたって,紹介記事に書かれていることが正確であるか確認をする必要がある。さらに,学術雑誌に書かれていることも,それがほかの論文からの引用である場合は,その引用先の原典にあたって正確な引用であるか確認をする必要がある。このように,関連のある学術論文の原典は必ず入手して読まなければならない。図書館・情報学関連の学術雑誌は多数存在する。ここではそのうちの一部だけを示す。
①日本図書館情報学会誌(日本図書館情報学会)
②情報処理学会論文誌(情報処理学会)
③情報メディア研究(情報メディア学会)
④情報知識学会誌(情報知識学会)
⑤電子情報通信学会論文誌:D 情報・システム(電子情報通信学会)
⑥図書館情報メディア研究(筑波大学図書館情報メディア研究科:2002年までは図書館情報大学研究報告)
⑦Library and Information Science (三田図書館・情報学会)
※国内雑誌のみを抜粋。
今まど子編著『図書館学基礎資料』(第12版)で紹介されている雑誌
- 作者:今 まど子
- 発売日: 2015/03/20
- メディア: 単行本
「VI. 図書館情報学に関するレファレンス・ブック(主要な文献のみ)」の「専門雑誌」(p.128)のなかで、下記のものが紹介されています。
『医学図書館』 日本医学図書館協会 1954 - 季刊
『学校図書館』 全国学校図書館協議会 1950 - 月刊
『学校図書館学研究』 日本学校図書館学会 1999 - 年刊
『現代の図書館』 日本図書館協会 1963 - 季刊
『情報管理』 科学技術振興機構 1966 - 月刊
『情報の科学と技術』 情報科学技術協会 1987 - 月刊
『専門図書館』 専門図書館協議会 1969 - 年6回
『短期大学図書館研究』 私立短期大学図書館協議会 1980 - 年刊
『大学図書館研究』 国公私立大学図書館協力委員会・大学図書館研究会 1972 - 年3回
『図書館界』 日本図書館研究会 1947 - 隔月刊
『図書館情報学会誌』 日本図書館情報学会 1954 - 季刊
『図書館雑誌』 日本図書館協会 1907 - 月刊
『図書館文化史研究』 日外アソシェーツ 1984 - 年刊
『みんなの図書館』 図書館問題研究会 1977 - 月刊
『薬学図書館』 日本薬学図書館協議会 1956 - 季刊
※国内雑誌のみを抜粋。
山﨑久道編『情報サービス論』(現代図書館情報学シリーズ, 5)で紹介されている雑誌
「第8章 各種情報源の特徴と利用法」の「4. 情報サービスにおける各種情報源の最新動向を学ぶために」(p.201-202)において、情報サービスを提供する図書館職員向けの情報源として、下記のように紹介されています。
最新の情報サービスを展開するためには,各種情報源の最新動向を常に把握しておくことが必要である。各種の情報源の最新動向は,図書館情報学分野の専門雑誌を定期的にブラウジングすることによって知ることができる。専門雑誌のブラウジングは,図書館の情報サービス全般の最新動向を把握する上でも有効である。図書館情報学の専門雑誌には,次のようなものがある(◎印は,Web版(電子版)のあるもの)
- 『医学図書館』(日本医学図書館協会)(季刊)
- 『オンライン検索』(日本端末研究会)(季刊)
- 『学校図書館』(全国学校図書館協議会)(月刊)
- 『学校図書館学研究』(日本学校図書館学会)(年刊)
- 『カレントアウェアネス』(国立国会図書館関西館図書館協力課)(季刊)◎
- 『現代の図書館』(日本図書館協会)(季刊)
- 『国立国会図書館月報』(国立国会図書館)(月刊) ◎
- 『情報管理』(科学技術振興機構)(月刊)◎
- 『情報の科学と技術』(情報科学技術協会)(月刊)
- 『情報メディア研究』(情報メディア学会)(不定期刊)◎
- 『専門図書館』(専門図書館協議会)(年6回刊)
- 『短期大学図書館研究』(私立短期大学図書館協議会)(年刊)
- 『大学図書館研究』(国公私立大学図書館協力委員会・大学図書館研究編集委員会)(年3回刊)
- 『図書館界』(日本図書館研究会)(隔月刊)
- 『図書館雑誌』(日本図書館協会)(月刊)
- 『日本図書館情報学会誌』(日本図書館情報学会)(季刊)
- 『びぶろす』(国立国会図書館)(電子版のみ年4回刊)◎
- 『みんなの図書館』(図書館問題研究会)(月刊)
- 『薬学図書館』(日本薬学図書館協議会)(季刊)
- 『Library and Information Science』(三田図書館・情報学会)(年2回刊)
これらの専門雑誌を定期的にブラウジングし,情報サービスに関する最新動向を学んでもらいたい。
おまけ
その1
2012年11月創刊のため、どの本でも紹介されていませんが、『ライブラリー・リソース・ガイド』(アカデミック・リソース・ガイド)もおすすめです。
図書館の未来がわかる、新しいライブラリーマガジン!
2012年11月に創刊。特別寄稿と特集を2本の柱とし、図書館に新たな風を吹き込みます。特別寄稿は図書館に限定しない各界の専門家が、約5万字という図書館専門誌に例を見ない、重厚な論考を展開しています。特集では、図書館にさまざまな事例をその時々のテーマに沿ってお届けします。
その2
2016年6月12日時点では、『情報の科学と技術』がエンバーゴ6か月、『大学図書館研究』がエンバーゴ1年になっており、オープンアクセスのものが増えています。
その3
上記の4冊に記載されている国内雑誌をおすすめとして紹介しましたが、僕は深く考えずに、カレントアウェアネス・ポータルの「図書館関係雑誌目次RSS集(国内)」をまるっとRSSリーダーに登録して、目次情報を確認しています。
当サイトで集約、配信している図書館関係雑誌目次RSS集の対象雑誌は以下のとおりです。各々のRSSアイコンが配信元RSSへのリンクとなっていますので、当サイトが集約しているRSSでは情報量が多過ぎるという方は、ご自分のお好みに応じて個々のRSSを登録されてはいかがでしょうか?
そのため、この記事で紹介しているすべての雑誌が「図書館関係雑誌目次RSS集(国内)」に含まれているのかは確認していないです。そもそもこの記事を書きながら、はじめて意識したので……。含まれていない雑誌あるのかな?そのうち確認してみよう。
【↓2016年6月13日加筆↓ここから】
id:kitoneさんより、はてなブックマークのコメントで補足がありました。
その3については http://cheb.hatenablog.com/entry/2012/11/27/225609 もご参考まで。
RSSリーダーを使っていない方にとっては、Twitterの方が気軽に確認できて便利だと思います! twitter.com
Twilogもあるので、毎日は追いきれなくても遡ったり検索したりできます。
話はそれますが、こういう動くものを作るのいいな!楽しそう。
【↑2016年6月13日加筆↑ここまで】
その4
外国雑誌については、こちらの2つの記事がおもしろいと思います。僕は外国雑誌を読んでいないの正直中身はわかりませんが、後学のためにリンクを貼っておきます。
ちなみに、こちらでは、国内雑誌についての言及もありました。
執務参考資料の和雑誌には以下のものがあります。こちらは基本全チェック。
図書館雑誌
現代の図書館
情報の科学と技術
情報管理
図書館界
図書館学
学校図書館
専門図書館
医学図書館
薬学図書館
大学図書館研究
あうる
みんなの図書館
日本図書館情報学会誌
Library and Information Science
出版ニュース
ここから漏れてる図書館系和雑誌って……、まぁ、たくさんありますね。大学紀要系とか『図書館文化史研究』とか『日仏図書館情報研究』とか。
その5
雑誌に限らない情報収集はこちらが参考になります。