猫に夢研究所

自分の備忘録を公開している感じです。国立大学法人で大学図書館職員(図書系職員)として働いています。みなし公務員です。

独学者・知的生産者・大学生のための学び方を学ぶブックリスト(2021年3月3日版)

独学者・知的生産者・大学生のための学び方を学ぶブックリスト(2021年3月3日版)です。タイトルの中に「学」という漢字が4個もはいってる。

目次


『独学大全 絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』

独学大全 絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法

独学大全 絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法

  • 作者:読書猿
  • 発売日: 2020/09/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

  • 特定の学問分野によらない汎用性の高い独学の技法が55個具体的に紹介してあり、それらを実践したくなるように書かれている。
  • 独学の技法の紹介だけにとどまらず、独学者のモチベーションを上げたり、独学者を鼓舞する名言集としても読める。
  • 本文は752ページあり分厚いが、読みやすい文章なので通読できる。
  • この本は、以下の部で構成されている。
    • 第1部 なぜ学ぶのかに立ち返ろう
    • 第2部 何を学べばよいかを見つけよう
    • 第3部 どのように学べばよいかを知ろう
    • 第4部 独学の「土台」を作ろう
  • 「本書の構成と取説」(p.33-39)があり、各章のはじめには、導入として「対話」が挿入されており、読みやすくする仕掛けがしてある。紙の色・質を使い分けているのも、その1つだと思う。
  • 索引(通常の「索引」と「独学困りごと索引」)が充実している。
  • 大学図書館職員の自分としては、「第8章 資料を探し出す」「第9章 知識への扉を使う」「コラム 知のライフサイクル」は、ぜひ大学生に読んでほしいところ。
  • 本書は独学のための道具箱である。独学者のそばに置かれ、繰り返し参照されることを期待して構成されている(p.33)

  • 帯の情報。
    • 悩んだときにパッと開ける独学の百科事典

    • 読むのが遅い 時間がない 続かない 頭が悪い お金がない やる気が出ない

    • 何を、どう学べばいいか迷ったときの羅針盤

    • 「自分を変えたい」すべての人へ

    • 著者が独自に収集・開発した技法「ベスト55」を厳選!

  • 出版社のWebページで、概要と目次が確認できる。
  • 過去のブログ記事。


『知的トレーニングの技術〔完全独習版〕 (ちくま学芸文庫)』


『知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社+α文庫)』

  • 自分の頭で考えるということに焦点を当てている。
  • 問いの発見のおもしろさや、視点を変えてものごとをとらえることで、新しい何かが見えてくる瞬間のスリルを伝えてくれる。
  • この本は、以下の章で構成されている。
    • 文庫版まえがき
    • 序章 知的複眼思考法とは何か
    • 第1章 創造的読書で思考力を鍛える
    • 第2章 考えるための作文技法
    • 第3章 問いの立て方と展開のしかた――考える筋道としての〈問い〉
    • 第4章 複眼思考を身につける
    • あとがき
    • リーディング・ガイド
  • 複眼思考とは、複数の視点を自由に行き来することで、一つの視点にとらわれない相対化の思考法といってもよいでしょう(p.27)

  • 著者である私としては、複眼的思考はとてもまっとうな考え方であると思っています。情報を正確に読みとる力。ものごとの論理の筋道を追う力。受け取った情報をもとに、自分の論理をきちんと組み立てられる力。こうした基本的な考える力を基礎にしてこそ、「常識」にとらわれずに、自分の頭で考えていくこと――つまり、知的複眼思考ができると考えるのです(p.28)

  • 思考を厳密にするうえで、書くことこそが、もっとも基礎的な営み(p.127)

  • 帯の情報。
    • 全国3万人の大学生が選んだベストティーチャーの奥義!!

    • 逆風の時代を生き抜くには、知識を超える「何か」が必要になる。正解を見つける力より問題点を見出す力を。真実が見える瞬間のスリルが人生を変える!!

    • 知識と思考の理想的な関係!!

  • 出版社のWebページで、概要が確認できる。
  • 過去のブログ記事。


『知的生活の方法 続 (講談社現代新書 538)』

  • 続の方。知的生産のロングセラー『知的生活の方法 (講談社現代新書)』の3年後に書かれた本。
  • 残念ながら絶版。自分はAmazonで古本を入手した。
  • Kindle版もなし。
  • この本のテーマは「読書が中心にあるような生活論」について。
  • 本書は、以下の章で構成されている。
    • はじめに
    • 1 日本の知的生活の伝統
    • 2 知的生活の理想像
    • 3 仕事のしかたとライブラリー
    • 4 知的独立について
    • 5 知的生活と表現
  • 「2 知的生活の理想像」と「3 仕事のしかたとライブラリー」の章では、個人の蔵書・書斎と大学図書館の重要性が述べられている。
  • 長期的な視点を持って、こつこつと自分の書斎・蔵書を構築していけば、資料蓄積の累積効果が得られるとのこと。
  • ベンジャミン・フランクリンは、「空の袋は直立しえず。 An empty sack cannot stand upright.」という諺を普及させたが、これはもちろん「独立できる資産がなければ、人は卑屈にならざるをえない」という意味である(p.135)

  • カバーの情報。
    • 自分の知的領域にふれあう本を一冊一冊精選して、個性あふれるライブラリーを作りあげ、学問を生活化することが、知的生活のポイントである。そのために不可欠なゆとりある生活への道を探り、就職・結婚のプラスとマイナス、図書館の《接近利用法》、機械的な作業の有効性、フランクリン式文章上達法など毎日の生活を充実させるためのオリジナルな方法を公開する。大きな共感をもって迎えられた前著に続く本書は、日常のくりかえしのうちに、ともすれば流されがちな現代人にとって、ゆるぎないライフ・スタイルを身につけるための恰好のガイド・ブックである。

    • 農耕的作業――構想が構想であるうちは論文でもなんでもない。いちおうの構想やら書いてみたいことが浮かんだら、書きはじめてみなければ何もわからない。疑問が生じたらチェックし、最初正しいと思ったことが間違いだったら書き直す、というふうにして、毎日、何時間か機械的に取り組み、何ヵ月、あるいは1、2年かかるということを覚悟しなければ、まともな論文はできない。最初になにほどかのアイデアがあり、それを具体的な知性生産に結びつけるためには、衝動的な作業では駄目で、機械的・継続的な、ほとんど農耕的といってもよい作業が毎日続く。――本書より

  • 出版社のWebページで、概要と目次が確認できる。
  • 過去のブログ記事。