成田龍一著『戦後史入門』を読了しました。
- 作者:成田 龍一
- 発売日: 2015/07/04
- メディア: 文庫
- 読了日20170506
- 購入日20170426
- Amazonで購入した。
- 帯なし。
- シンプルな装丁のデザインも、読みやすい文庫なのもいい。
- 「歴史とは何か」を考えるきっかけになった。
- 歴史が楽しいと思える本。
- 最後の方に、参考文献があげられている。
歴史とは、すでに決定しているものではない、ということです。つねに変化しているものだ、ということです(p.16)
歴史は、もう決まってしまったことをいうのではなく、ある出来事を選び出し、他の出来事と関連づけながら伝えること、です。言い換えれば、(出来事を集めた)年表ではなく、出来事を選び出し説明することです(p.17)
あらゆる歴史の説明には、必ず、「解釈」が含まれているのです(p.30)
何を取り上げ、何をふれずにすますかが、歴史を記すばあいの大きなポイントとなる、ということになります(p.44)
歴史というのは、つねに解釈され、解釈を通じて、語られる。それによってできあがっていくのです。逆にいえば、解釈から自由な、まっさらな歴史がどこかにあるわけではありません。教科書だって、解釈の積み重ねのうえにできあがったものです(p.51)
どのような位置、どのような立場から歴史を見るか、そして歴史を語るか、ということによって歴史のイメージは大きく変わってきます。「歴史とは何か」と考えるばあい、そのことを意識しておくことがとても大切です(p.118)
歴史は「あとから」語られるものだ、ということができます。つまり、どうしても、「いま」の視点で、「いま」の考え方によって過去がとらえられてしまうということなんです。「あと出しじゃんけん」みたいなものなんですね、歴史というのは(p.129)
歴史の語り方にどうしても「いま」が入りこんでしまうということは、同じ対象であっても、時代によって評価がちがってくるということを意味します(p.130)
一度当たり前になったことに対して、それが当たり前になる以前のことを想像することは、意外に難しいんです(p.193)
目次は、以下のとおり。
はじめに――歴史って何だろう?
第1章 戦争に負けてどうなった? 占領の話
第2章 知ってる?「55年体制」って何?
第3章 経済大国? それっていつのこと?
第4章 「もうひとつの」戦後日本を見てみよう
第5章 歴史は生きている これからの日本
第6章 歴史はひとつではないが、なんでもありでもない
補章 「戦後」も70年たった……
あとがき/文庫版あとがき/参考文献/解説:池上彰
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309413822/