猫に夢研究所

自分の備忘録を公開している感じです。国立大学法人で大学図書館職員(図書系職員)として働いています。みなし公務員です。

成田龍一著『戦後史入門』読了

成田龍一著『戦後史入門』を読了しました。

戦後史入門 (河出文庫)

戦後史入門 (河出文庫)

  • 読了日20170506
  • 購入日20170426
  • Amazonで購入した。
  • 帯なし。
  • シンプルな装丁のデザインも、読みやすい文庫なのもいい。
  • 「歴史とは何か」を考えるきっかけになった。
  • 歴史が楽しいと思える本。
  • 最後の方に、参考文献があげられている。
  • 歴史とは、すでに決定しているものではない、ということです。つねに変化しているものだ、ということです(p.16)

  • 歴史は、もう決まってしまったことをいうのではなく、ある出来事を選び出し、他の出来事と関連づけながら伝えること、です。言い換えれば、(出来事を集めた)年表ではなく、出来事を選び出し説明することです(p.17)

  • あらゆる歴史の説明には、必ず、「解釈」が含まれているのです(p.30)

  • 何を取り上げ、何をふれずにすますかが、歴史を記すばあいの大きなポイントとなる、ということになります(p.44)

  • 歴史というのは、つねに解釈され、解釈を通じて、語られる。それによってできあがっていくのです。逆にいえば、解釈から自由な、まっさらな歴史がどこかにあるわけではありません。教科書だって、解釈の積み重ねのうえにできあがったものです(p.51)

  • どのような位置、どのような立場から歴史を見るか、そして歴史を語るか、ということによって歴史のイメージは大きく変わってきます。「歴史とは何か」と考えるばあい、そのことを意識しておくことがとても大切です(p.118)

  • 歴史は「あとから」語られるものだ、ということができます。つまり、どうしても、「いま」の視点で、「いま」の考え方によって過去がとらえられてしまうということなんです。「あと出しじゃんけん」みたいなものなんですね、歴史というのは(p.129)

  • 歴史の語り方にどうしても「いま」が入りこんでしまうということは、同じ対象であっても、時代によって評価がちがってくるということを意味します(p.130)

  • 一度当たり前になったことに対して、それが当たり前になる以前のことを想像することは、意外に難しいんです(p.193)


目次は、以下のとおり。

はじめに――歴史って何だろう?
第1章 戦争に負けてどうなった? 占領の話
第2章 知ってる?「55年体制」って何?
第3章 経済大国? それっていつのこと?
第4章 「もうひとつの」戦後日本を見てみよう
第5章 歴史は生きている これからの日本
第6章 歴史はひとつではないが、なんでもありでもない
補章  「戦後」も70年たった……
あとがき/文庫版あとがき/参考文献/解説:池上彰

http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309413822/