読書猿著『独学大全 絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』を読了しました。
独学大全 絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法
- 作者:読書猿
- 発売日: 2020/09/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 読了日20201112
- 入手日20201021
- Amazonで購入した。
- 名著。
- 読みやすいソフトカバー。ただ、ここまで厚いのなら、価格が高くなってもハードカバーもありだと思った。ソフトカバーだと背割れが気になるので。
- 特定の学問分野によらない汎用的な独学の技法が55個具体的に紹介してあり、それらを実践したくなるように書かれている。
- 独学の技法の紹介だけにとどまらず、独学者のモチベーションを上げたり、独学者を鼓舞する名言集としても読める。
- 本文は752ページあり分厚いが、読みやすい文章なので通読できる。
- 「本書の構成と取説」(p.33-39)があり、各章のはじめには、導入として「対話」が挿入されており、読みやすくする仕掛けがしてある。紙の色・質を使い分けているのも、その1つだと思う。
- 本書は、「第1部 なぜ学ぶのかに立ち返ろう」「第2部 何を学べばよいかを見つけよう」「第3部 どのように学べばよいかを知ろう」「第4部 独学の「土台」を作ろう」で構成されている。詳細は、本記事後半の目次を参照。
- 索引(通常の「索引」と「独学困りごと索引」)が充実している。
- 大学図書館職員の自分としては、「第8章 資料を探し出す」「第9章 知識への扉を使う」「コラム 知のライフサイクル」は、ぜひ大学生に読んでほしいところ。
- 「第12章 読む」では、自分が無意識に使い分けていた読書法を含め、さまざまな読書法が体系化されている。
- 自分が知らなかった技法のなかで、1番使っていきたい・よさそうと思ったのは、「技法12 独学の進捗と現在地を知る「ラーニングログ」」。
- たくさんの本や論文を参照・紹介してあり、読みたい本や論文が増えた。とくに、これらの本は買う。
- 「講座もののリスト」(p.335)で、『講座・図書館情報学』(ミネルヴァ書房)が取り上げられているが、自分としては『現代図書館情報学シリーズ』(樹村房)のほうがおすすめ。
- 執筆などアウトプットに関する技法も知りたかった。『執筆大全』?『文章大全』?など勝手に続編を希望。
- Twitterで#独学大全 - Twitter Search又は独学大全 - Twitter Searchを検索すると、『独学大全』は読者が多いので実際にリアルタイムで「会読」(p.186-193)しているような雰囲気が味わえる。
- 著者である読書猿のブログ:読書猿Classic: between / beyond readers
- 著者である読書猿のTwitter:読書猿『独学大全』8刷13万部、電子書籍1万部 (@kurubushi_rm) | Twitter
- 著者である読書猿のmin.t(ツイートまとめサイト):読書猿『独学大全』9刷 合計16万部(紙+電子)(@kurubushi_rm)のまとめ(7) - min.t (ミント)
本書は独学のための道具箱である。独学者のそばに置かれ、繰り返し参照されることを期待して構成されている(p.33)
- 帯の情報。
悩んだときにパッと開ける独学の百科事典
読むのが遅い 時間がない 続かない 頭が悪い お金がない やる気が出ない
何を、どう学べばいいか迷ったときの羅針盤
「自分を変えたい」すべての人へ
著者が独自に収集・開発した技法「ベスト55」を厳選!
- ダイヤモンド・オンライン(DIAMOND online)で、下記の特集が組まれている。
- 「独学大全」古代ギリシアから最新論文まで、ありとあらゆる「知」を全網羅。著者が独自に収集・開発した技法「ベスト55」を厳選した『独学大全』から、勉強の具体的な悩みに答えます。
- https://diamond.jp/category/s-dokugakutaizen
- 下記の3冊とともに、独学本・知的生産本として手元に置いておきたい本。
- 上記の3冊の関連記事。
目次は、以下のとおり。
目次
無知くんと親父さんの対話0 無知をどうにかしたいんです
序文 学ぶことをあきらめられなかったすべての人へ
本書の構成と取説
第1部 なぜ学ぶのかに立ち返ろう
〈独学の足場を作るために〉
第1章 志を立てる
無知くんと親父さんの対話1 学ぶことをやめない理由は何か
技法1 やる気の資源を掘り起こす「学びの動機付けマップ」
第2章 目標を描く
無知くんと親父さんの対話2 夢は巨人の肩の上で見る
技法2 学びの出発点を見極める「可能の階梯」
技法3 学びの地図を自分で描く「学習ルートマップ」
第3章 動機付けを高める
無知くんと親父さんの対話3 まずは1分間、勉強しろ
技法4 未来のミニチュアを組み立てる「1/100プランニング」
技法5 重い腰を蹴っ飛ばす「2ミニッツ・スターター」
第4章 時間を確保する
無知くんと親父さんの対話4 何を捨て、何を選ぶか
技法6 自分も知らない自分の行動を知る「行動記録表」
技法7 クズ時間を生まれ変わらせる錬金術「グレー時間クレンジング」
技法8 打ち込むためにトマトを回せ「ポモドーロ・テクニック」
第5章 継続する
無知くんと親父さんの対話5 挫折する人が考えること
技法9 怠けることに失敗する「逆説プランニング」
技法10 日課を習慣の苗床にする「習慣レバレッジ」
技法11 やめられない、続かないを資源にする「行動デザインシート」
技法12 独学の進捗と現在地を知る「ラーニングログ」
第6章 環境を作る
無知くんと親父さんの対話6 強い意志よりサボらない仕組み
技法13 他人は意志にまさる「ゲートキーパー」
技法14 会えない者を師と仰ぐ「私淑」
技法15 共に読むことが開く知的共同体「会読」
コラム 金のない独学者に何ができるか
第2部 何を学べばよいかを見つけよう
〈何を学ぶか自分で決める〉
第7章 知りたいことを発見する
無知くんと親父さんの対話7 悩みをぜんぶ書き出せ
技法16 脳内知識の棚卸し「カルテ・クセジュ」
技法17 古代弁論術に始まる自己問答「ラミのトポス」
技法18 知的多角測量法「NDCトラバース」
第8章 資料を探し出す
無知くんと親父さんの対話8 「ググる」以外の武器を手に入れよう
技法19 思い付きの検索を卒業する「検索語みがき」
技法20 知の分類の航海術「シネクドキ探索」
技法21 巨人の肩によじのぼる「文献たぐりよせ」
技法22 調べものの航海日誌「リサーチログ」
第9章 知識への扉を使う
無知くんと親父さんの対話9 古典はあなたのために書かれていない
技法の前に 運に頼らない本の選び方
技法23 第1のレファレンスツール「事典」可能性としての博識
技法24 第2のレファレンスツール「書誌」調査の達人からの贈り物
技法25 第3のレファレンスツール「教科書」入門書・事典・書誌を兼ねた独学者の友
技法26 欲しい書物と出会う技術「書籍探索」
技法27 知の最前線に向かう「雑誌記事(論文)調査」
コラム 知のライフサイクル
第10章 集めた資料を整理する
無知くんと親父さんの対話10 最速の素人になる
技法の前に 点の読書から線の読書、面の読書へ
技法28 多くの文献を一望化する「目次マトリクス」
技法29 文献のネットワークを掌握する「引用マトリクス」
技法30 文献の群れを貫通して読む「要素マトリクス」
第11章 情報を吟味する
無知くんと親父さんの対話11 「トンデモ知識」につかまらないために
技法31 デマの矛盾をあぶり出す「タイム・スケール・マトリクス」
技法32 トンデモ主張を暴き出す「4分割表」
技法33 主張の根拠を掘り起こす「トゥールミン・モデル」
第3部 どのように学べばよいかを知ろう
〈学び方を学ぶこと〉
第12章 読む
無知くんと親父さんの対話12 様々な読み方で再読する
速読 Rapid Reading
技法34 知らずに使っている最速の読書法「転読Flipping」
技法35 必要なものだけを読み取る「掬読Skimming」
技法36 文献と対話する「問読Q&A Reading」
技法37 決まった時間で読み終える「限読Timed Reading」
平読 Plain Reading
技法38 読書技術の静かな革命「黙読Silent Reading」
技法39 身体に刻む読書の原初形態「音読Reading Aloud」
技法40 読み手を導く読書の手すり「指読Pointing Reading」
精読 Close Reading
技法41 読むことを考えることに接続する「刻読Marked Reading」
技法42 精緻に読むことに引き込む読書の補助輪「段落要約Paragraph Summarizing」
技法43 難所を越えるための認知資源を調達する「筆写Scribing」
技法44 すべての読書技術で挑む精読の到達点「注釈Annotating」
技法45 思考訓練としての訳読「鈴木式6分割ノート」
技法46 逆境を乗り越える要約注釈術「レーニンノート」
第13章 覚える
無知くんと親父さんの対話13 記憶の術(アート)よりマネジメント
技法47 記憶法のコーディネートでメタ記憶を鍛える「記憶法マッチング」
技法48 記憶障害の臨床でも用いられる文章記憶法「PQRST法」
技法49 学習前後に描くことで準備する/定着する「プレマップ&ポストマップ」
技法50 古代ギリシア発祥のイメージ技法「記憶術(ニーモニクス)」
技法51 復習をモジュール化する記憶マネジメント法「35ミニッツ・モジュール」
第14章 わからないを克服する
無知くんと親父さんの対話14 「わからない」と共に旅をする
技法52 思考の過程を声にする「シンクアラウドThink Aloud」
技法53 わからなくても迷わない「わからないルートマップ」
技法54 解いた自分を資源とする「違う解き方」
第15章 自分の独学法を生み出す
無知くんと親父さんの対話15 独学者として人生を歩む
技法55 自分という学習資源「メタノート」
第4部 独学の「土台」を作ろう
〈あらゆるものを学ぶ土台になる力〉
国語独学の骨法
1 読めないことを自覚する
2 おなじみ同士の言葉・概念の組み合わせを蓄える
3 論理はそもそも対話である
4 チャリティの原理 Principle of Charity
ある独学者の記録国語
英語(外国語)独学の骨法
1 ロンブ・カトーの分数式
2 挫折なき塗り壁式学習法
3 子ども辞典と事典はツールであり教材である
4 会話、スモールトークを超えて
ある独学者の記録英語
数学独学の骨法
1 数学にネイティブスピーカーはいない
2 想像力を止め、手を動かす
3 理解は遅れてやって来る
4 数学書は「終わり」から書かれている
5 証明の読み書き(リテラシー)を身に付ける
ある独学者の記録数学
あとがき
索引
写真提供、引用元一覧
独学困りごと索引
https://www.diamond.co.jp/book/9784478108536.html