平成27年度山口県大学図書館協議会研修会の午後の部で行われた講演『大学図書館における学習支援』の聴講メモです。
聴講メモ
全体のバランスや文脈は考慮せず、講演を聞いたなかで自分が興味を持ったところを中心に列挙しました。随所で『図書館員のためのPR実践講座』が参考文献としてあげられているので読みたいと思いました*1。
- 内部の教育の質保証として、自己点検・評価ができる大学へ。
- ディプロマ・ポリシーは、最低ライン(60点)の基準。
- アクティブ・ラーニングは、認知的にアクティブであることが重要。方法ではない。
- 生涯にわたって学び続ける力、主体的に考える力をもつ人材の育成。
- 大学図書館の機能の強化に関する提言。
- 情報リテラシーとは、「課題を認識し、その解決のために必要な情報を探索し、入手し、得られた情報を分析・評価、整理・管理し、批判的に検討し、自らの知識を再構造化し、発信する能力」。
- 「印象づけ」のポイントは、利用者にとって図書館が役立つ場所であり、気軽で快適な居心地のよい場所であるという印象を与えること。
- 「サービス案内」のポイントは、図書館に初めて足を運んだ人が、とりあえず図書館を利用できる最低限の情報を伝えること。
- オリエンテーションでは、面倒くさいという印象を与えないように注意。図書館を「売り込む」。
- 図書館ツアーでは、データベースの検索結果と図書館資料をつなぐ。いつでも図書館職員に尋ねられることを伝える。内容を盛り込み過ぎない。
- 図書館内のサインは、全体として統一感・連続性をもたせること及び個々のサインの独立性・識別性があることの両方の要素が必要。サインを付随的なものと考えない。作成が容易で互換性が高いものにする。
- 科目関連指導の到達目標の1つは、学生が、図書館や図書館職員が自分たちの学習活動を支援する機関(職員)であることを認識すること。
- 科目関連指導を行う際には、できる限り教員にも参加してもらう。学生のモチベーションもあがる。
- 「教える好機(teachable moment=テーマを設定した直後)」に支援を実施する。
- 教育支援の到達目標の1つは、教員が、図書館が学習・教育支援機関であることを認識すること。教員を図書館の利用者(支援対象者)と捉えて、サービスを設計・提供する。
- 教員と図書館職員が顔を合わせる機会を設ける。
- 教育支援では、新任教員へのアプローチに重点を置く。30年続ければ全教員に。
- 教員の口コミは強力。参加人数を増やすことよりも満足度を高めることに重点を置く。
- 図書館(組織)は、学習支援や教育支援の担当を、付加業務ではなく、主要な業務として位置づける。学習支援や教育支援の担当者が、その業務に集中できる環境を整備する。単純作業を担当する支援スタッフを雇用する。
- 図書館職員は、教育者として、教授スキル(授業デザインや授業運営)を向上させる。外国の大学図書館では、週2時間は各自で勉強する制度があるところも。
- 学内外の大学教育改革の動向を把握する。
- 大学教育に関する情報源。
- 学会
- 定期刊行物
- メーリングリスト
- 動画
- 認証評価
長澤先生には、平成27年度学術情報リテラシー教育担当者研修でもお世話になりました。
- 作者:仁上 幸治
- 発売日: 2014/11/05
- メディア: 単行本
*1:購入はしているものの、読んでいない。